東京理科大学教育開発センター主催
第9回FDセミナー 開催報告

東京理科大学教育開発開発センター主催 第9回FDセミナー 開催報告

土持ゲーリー法一先生

 平成25年9月28日(土)14時から、葛飾キャンパスの講義棟において、教育開発センター主催「第9回FDセミナー」が開催されました。今回は、「学生の主体的学びを促すラーニング・ポートフォリオの活用」と題し、講演とワークを同日に行う内容の濃い構成としました。この標題を掲げた背景には、学生の主体的な学び、深い学びを促すツールとしてポートフォリオが最近脚光を浴びているという事情があります。                   

 直近の平成24年8月28日付の中央教育審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」では、次代を生き抜く力を確実に身につけた学生を育成することが学士課程教育に求められています。急速に進展するグローバル化、少子高齢化による人口構造の変化、エネルギーや資源、食料の供給問題、地域間格差の広がりなど、社会の仕組みが大きく変容する状況は今後も続くと考えられています。そのような時代に生き、社会に貢献していくことが出来るのは、生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材です。このような文脈から学士課程教育の質的転換が重要視されることになり、「学生の主体的な学び」というキーワードが浮かび上がってきました。

 学生に主体的な学びを促すティーチング/ラーニング/アカデミック・ポートフォリオを日本の大学に導入したパイオニア的存在である、土持ゲーリー法一先生(帝京大学高等教育開発センター長・総合教育センター長・教授)
を講師にお招きしたことが今回のセミナーの最大の魅力と言っても過言ではありません。

 

 土持先生による前半のご講演は、平成24年8月28日付中教審答申から着目される「学生の主体的な学び」は、これまでの受動的な学びから、主体的な深い学び、つまり「学修」を目指すための大きな契機となったことを改めて確認して開始されました。主体的な学びは、学生が省察的学修経験を積むことで促進される。学生が学びの主題について、さらに学習プロセスを振り返ることで自己を理解し、自己管理出来るようになる。これこそ中教審答申の言う「生涯学び続け、主体的に考える力」であると考えられます。学習者の「振り返り」は、省察、共同作業、証拠資料の三つの要素から構成されるラーニング・ポートフォリオの作成作業を通じて促されます。土持先生からは、深い学びを促すのにもはや必須となったアクティブ・ラーニングの効果、学修ポートフォリオを活用した授業設計、コンセプト・マップ作成による省察、学びのアウトプットを引き出すICEモデルとルーブリックについて説明していただきました。

 

 グループワークのために設定した会場に移動して後半部のワークを行いました。ここでは、ルーブリックの概要を説明していただいた後、参加者が自らのシラバスからルーブリックを作成しました。土持先生は、グループ作業を行っている参加者にアドバイスをして下さり、シラバスからルーブリックを作成する過程を体験しました。シラバスをもとに「目的」「到達目標」を説明し、評価範囲(規準)を設定し、パフォーマンス・レベル(評価基準)を定義する作業はなかなかに難しいものでしたが、自ら作成したシラバスを見直すことも出来たのは望外の収穫でした。

 

 土持先生には今回のセミナーで、「学生の主体的学び」を促すために、なぜポートフォリオが必要なのか、どのように活用すれば有効であるか、というラーニング・ポートフォリオの基礎から応用までをご教示いただきました。ポートフォリオの原理から具体化、その活用例と教育上の大きな効果には参加者が驚かされたことと思います。また、ルーブリック作成が、学生の学びはもとより、教員の作成するシラバスに及ぼす非常にポジティブな影響についても参加者が実感出来るセミナーとなりました。

 当日の模様は、LETUS上にて配信されておりますので、当日所用にて出席のかなわなかった教職員の方々にはぜひとも視聴くださいますようお願いいたします。

[LETUSへのリンク]
https://letus.ed.tus.ac.jp/course/view.php?id=11176

※ ID,パスワードは、CENTISと同じです。
  教職員のみ視聴可。

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